【革の種類を確認!】革靴に使われる素材についてまとめてみた。

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あなたが今履いている革靴の「素材」について、あなたは理解していますか?

 

同じ制作方法で作成されている革靴でも、アッパー(底以外の部分)に利用されている革の種類によってその靴の雰囲気や特徴は大きく変化します。例えばスムースレザーやスエード、コードバンといったように革と一口に言っても様々な種類があるのです。

 

今回はそんな革靴の革の種類について、どのように作られているのかということや、特製特徴、その他豆知識についてお話しします。

 

 今回紹介する革の種類について。

革靴に使われる革の種類といっても大量にありますよね。さすがに全部紹介していたらきりがないので今回は紳士靴として利用される革に絞って紹介しようと思います。

 

今回紹介するのは、

・スムースレザー

・スエード、ヌバック

コードバン

・ガラスレザー

・エキゾチックレザー

・パテントレザー

・型押し革

この7種類になります。

 

革の種類によって、同じ製法で作成された革靴であってもその雰囲気や性質は大きく変化するので、自分の目的に合った革靴を選ぶ参考になればと思います。

 

 

スムースレザー

スムースレザーとはシボ加工(凸凹を作る)や起毛加工がされていない、なめらかな表面を持つ一般的な革のことをスムースレザーと呼ぶ。

 

基本的な革靴、特にドレスシューズはこのスムースレザーを使って作成されていることが一般的なので非常に有名な素材。誰もが一度は見たことあるはずです。ほとんどの場合スムースレザーは牛革で作成されることがほとんど。

 

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スムースレザーの製造過程では、革表面にワックスやクリームを塗布して革にある細かな毛穴を埋めてしまうようになっています。埋まった結果、表面がより滑らかになり、つやのある高級感ある革靴になります。

 

牛革の中でもとくにカーフやキップといった素材が使われるのが一般的。特に、カーフと呼ばれる仔牛の皮は革の傷が少なく、毛穴も小さいのでかなりきめ細かくなっている為よりツヤが出やすくなっています。なおカーフは基本的に少量しか取れないこともあって比較的高級な靴に利用されます。

 

・スエード、ヌバック

 スエードやヌバックは革を起毛させて作った革の事。スエードは革の裏面を削って、繊維を起毛させて毛足を整えた革であり、ヌバック革の表面(いわゆる銀面)を削って繊維を起毛させた革の事を指します。

 

どちらもマットな質感に仕上がるが、スエードの方が毛足が長く毛並み感あふれる靴に仕上がり、ヌバックの方は毛足が短いためツヤ感や滑らかさがあふれる靴に仕上がる傾向にあります。なお、手入れの仕方はどちらも同じです。違う種類の皮であることは、見ればわかります。

 

比較的カジュアルな印象を与える革だが、意外と手入れが簡単で汚れても簡単に復活させることができる傾向にあります。。汚れや傷が目立ちにくいので使い勝手が良いところが利点。防水スプレーをかければ汚れや水が付きにくくなるので、雨用の靴素材としても有能。

コードバン

馬の臀部周辺に存在する「コードバン層」という緻密な繊維質を丁寧に取り出して革上にしたものをコードバンと呼ぶ。

 

スムースレザーなどの革は銀面と呼ばれる層を表面に使うのが一般的なのに対して、コードバンではその銀面を削り切って、露出させたコードバンの層の繊維をオイル、ワックスを駆使してなでつけるようにして平らにすることでしっとり美しい、他にはない輝きを出すことに成功しています。

 

他の靴にはない輝きが魅力のコードバンは、靴好きの間ではたまらない商品。しかし、製法上銀面をすべて削り取っていることもあってシミができやすい、水分を吸いやすいなど手入れが難しい傾向にあります。(銀面が無い分水分を吸収しやすくなってます)

 

コードバンは取れる量が少なくそもそも希少価値が高い上に、安定的に取り扱えるメーカーも少ないため、コードバンの靴は通常の靴と比較して効果になる傾向にあります。

・ガラスレザー

銀面をやすりがけして、その上から顔料、樹脂を塗って仕上げた革のことをガラスレザーと呼びます。樹脂を乾燥させる際にガラス板等に張り付けることから、この名前で呼ばれるようになりました。

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※これは昔持ってたG.H.BASSのWEEJUNS。ガラスレザーで1万円台で買えるお勧め靴。なおWEEJUNSは世界で初めてローファーを作ったブランド。フォルムがいいんですよね~

 

 

ガラスレザーは加工されている為水分等を通しにくく、雨用の靴に適しています。

 

なお、革には動物が生きていた頃についた傷等がある場合があり、そのような革は利用できないばあいがありますが、ガラスレザーでは顔料や樹脂を革に塗布するため、これらの傷を隠すことができます。そのため、質の悪い革でもガラスレザーにすればきれいな仕上がりに見えるようになります。

 

傷がついている革は価格が安いこともあって、ガラスレザーは安価に製造することが可能になっています。そのため安価で購入可能です。

 

ただし、革の自然な風合いは若干失われてしまう他、柔軟性に欠けるため靴表面がひび割れがちになります。また、加工されているので靴クリームなどが表面に入りにくく、一般的なスムースレザーに比べて劣化が早い傾向にあります。

 

・エキゾチックレザー

一般的には家畜として飼われないような動物の皮を利用して造られた革及び革靴の種類のことを総称してエキゾチックレザーと呼びます。例えば、

 

  • リザード(トカゲの革)
  • クロコ(ワニの革)
  • ヘビ
  • オーストリッチ(ダチョウの革)
  • ラク
  • シャーク(サメの革)

などなどがあります。これはエキゾチックレザーの中でも一般的な革なので、他にもまだまだ多くの種類が存在します。

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このような靴は取り扱いも難しく、そもそも家畜として飼われている動物の皮ではないので希少価値が高く、高価な傾向にあります。また、手入れも若干難しいです。

 

しかし、他の革靴にはない強烈な個性と高級感を演出できるので、周りと違った雰囲気を出したい場合や、ワンポイントアクセサリー的な感覚で履ける革靴です。

 

・パテントレザー

表面に樹脂を塗り、わかりやすく光らせた革のことをパテントレザーと呼ぶ。一般的にはエナメルレザーとも呼ばれます。パテントとは日本語で特許のこと。特許技術であったことからパテントレザーと呼ばれるようになりました。

 

ガラスレザーとの違いは出来上がりの雰囲気の違いにあります。ガラス仕上げが革の風合いを残した仕上げにすることに対して、パテントレザーは樹脂の質感を表に出す仕上げとなります。

 

水や汚れがほぼほぼつかないので雨の日などに利用できる革靴となっています。手入れも水拭きと乾拭きを行うだけで完了するので手入れが楽です。ワックスで仕上げなくとも光り輝いているので靴磨きを行う必要はありません。手入れが楽なのは強みの一つ。

 

ただし、クリームやワックスは樹脂の層が厚すぎるため基本的には浸透しません。そのため、靴磨きを楽しみたいという方にはあまり向かない革靴ではあります。

 

舞踏会やパーティー、社交ダンスなどのフォーマルな場所では、クリームやワックスで女性のドレスを汚す危険が無いという理由から、黒のエナメルで作られた革靴が多い傾向にあります。

 

・型押し革

型押し革は革製造の段階で、鉄板やローラー上のスタンプを利用して革を押し付けて模様を付けたものになります。粒の細かさやデザインによって名前も変わります。シボ革とかもありますよね。

 

小石をちりばめたようなぶつぶつ模様を付けた革などは「スコッチグレインレザー」と呼ばれており、スコットランドで古くから使われる伝統的な柄です。興味がある方はいろいろ調べてみるのも面白いかもしれません。

 

手入れ方法や特徴などは一般的なスムースレザーと変わりませんが、凸凹があるため鏡面磨きを行うにはそれなりの慣れが必要です。

 

まとめ

今回は革靴に利用される革の種類について解説しましたが、いかがだったでしょうか。革にもいろんな種類があり、種類ごとにいろんな特徴があったことを理解いただけたのでは?

 

靴磨きをして経年の変化を味わいたい場合はスムースレザーやコードバン、手入れが面倒な人はガラスレザーや、パテントレザー、派手なものが好みの方はエキゾチックレザーというように、革靴に利用されている革の種類を知るだけでも革靴を選びやすくなったはずです。

 

あなたの目的と好みに合った革に注目しながら、革靴を探してみてくださいね!