【牛革にも種類が!】同じカーフでも、5つの種類に分類されるという事実。

スポンサーリンク

どうも!靴磨き職人の村上友哉です!

 

突然ですがあなたは何で作られた革靴を履いていますでしょうか。

 

コードバン」「スエード」「カーフ」など、沢山の種類がありますが、最もポピュラーな革靴と言えばやはり牛革(つまりカーフ)なのではないでしょうか。

 

そんなカーフですが、実は全て同じではありません。牛革になる前の牛の年齢や性別、その他もろもろの要因によって5つの種類に分類されるのです。

 

今回はそんな呼び名も性質も異なる、「カーフの5つの種類」について解説していきます。

 

 カーフには5つの種類がある

皆さんあまり自分の履いている革靴が、何の革なのかを気にする方は多いはずですが、その革の中でも「どのような種類のものなのか」ということについて気にする方は少数なはず。

f:id:bump-rikuzyo:20180617191050p:plain

なんだっていいじゃないか...!

 

そういわれればそれまでなのですが、ちょっとした違いで特徴や種類の違いが出てきたり、値段の違いが出てくるのです。

 

カーフにまつわる5つの種類に関する知識を知っておけば、「なぜこの革靴は高いのだろうか」「この革はカーフの中でも良質なのか、そうでないのか」など、購入する際の一つの指標として活用できます。

 

また、活用しない場合でも、雑学としてどや顔できるので知っておくに越したことはないでしょう。

 

 
牛革の分類方法

牛革(カーフ)の分類方法は次の通りです。

・牛の年齢

・雄牛か雌牛か

・去勢されているか、されていないか

 

左に行くほど高級に、右に行くほど庶民的(?)になります。

 

f:id:bump-rikuzyo:20180617183458p:plain

 

まず、年齢。年齢が若いほど、肌(革)がきめ細かいので、当然品質も高くなります。人間と一緒です。

 

次に、オスかメスか。品質に優劣はないんですけど、オスは暴れまくるので革にした時点で傷が結構多かったりします。そういうわけでメスのほうが上質とされます。

 

最後に去勢されているかどうか。なぜこれが品質に差ができるかというと、去勢されているオスはおとなしくなるため、上記と同じ理由で品質が高くなります。ぞっとしますね。

 

種類が違えば、特徴や用途も異なる。

先ほどのような形でカーフは分類されているわけですが、当然分類が違えば用途も違います。

 

全てがアッパー素材として利用される訳ではなく、年老いて品質が悪くなっている牛革はソール素材などとしても利用されます。

 

また、その種類によって風合い等は変わってくるのが面白い点です。それでは牛革の種類について解説していきます。

 

カーフスキン

1つ目はカーフスキン。これは生後6か月以内の仔牛の革であり、革の中でも最高級の物になります。いわゆるカーフ界の王様。

 

 

f:id:bump-rikuzyo:20180617191636p:plain

生まれたばかりなので革そのものがすごくキメ細かい。赤ちゃんを想像していただければ、何となくイメージが湧くのではないでしょうか。

 

生まれたてゆえに革がきめ細かいのはもちろんの事、傷も少ないため希少価値は高い。また、このカーフスキンの中でも、より生後間もない革の方が高級かつ良質。生後間もないものになるほど、当然希少価値が高く、流通量が少ない。

 

しなやかさ、ある程度耐久性があるのが特徴。ただし、キップスキンに比べると革が薄めなのでお手入れなどをより丁寧に行う必要があります。

 

なお、高級ブランドが買い占めていくようです。

キップスキン

2つ目にご紹介するのはキップスキン。これは生後6か月から2年の牛革を指し、カーフに次いで高級品とされています。カーフには及ばないものの、こちらも高級革の一つとしてバッグや靴等様々な用途で利用されています。

 

f:id:bump-rikuzyo:20180617191527p:plain

カーフスキンに比べるときめ細かさなどは劣るわけですが、それなりに革に厚みがある&繊維密度が高い為、多少雑に扱ってもカーフスキンよりも傷つきにくい特徴があります。

 

カウハイド

3つ目に紹介するのはカウハイド。これは生後2年ほどの雌牛の牛革を指します。分厚く丈夫で、一般的な革製品はこのカウハイドの革を利用して作られます

 

 

高級靴なんかの場合は、カウハイドをソールとして利用するケースも多く見受けられるようです。

 

ステアハイド

4つ目に紹介するのはステアハイド。生後3~6か月以内に去勢された雄牛が、大人になったときの皮を利用して作られる。こちらも一般的に利用される革の一種です。革靴の場合は厚手かつ丈夫といった理由からソールに多用されることが多いです。

 

f:id:bump-rikuzyo:20180617191124p:plain

ちなみにこの牛革は流通量が多いです。牛肉を作る際に余った副産物として、この牛革が生産されています。価格もかなり安め。

 

ブルハイド

最後に紹介するのはブルハイド。これは生後3年以上の、去勢されていない雄牛の皮になります。雄牛は(当然ですが)暴れまくる為、革が傷だらけな他、ごつごつしてるので革加工にはあまり向かない牛革になります。

 

ドレスシューズに利用される場合はソール素材として利用されます。加工した場合でも傷が残るので、基本的にはあまり見えない場所に利用することが多いですが、むしろその風合いが良いということで、一定数の愛好家も存在。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は同じ牛革でも、種類によってそれぞれ特徴や使われ方が違うという雑学のような記事でした。

 

靴づくり職人でもない限り、これらの違いについて知ることはあまりないと思うので、この記事を通して詳しくなって、周りに自慢したり、靴を購入する際の参考にしていただければと思います!

 

それでは。