どうも、靴磨き職人の村上友哉です。
皆さんは革靴の正しいフィッティング方法ってご存知でしょうか。少し前まで僕は正しい革靴のフィッティングの基準を知らず、何となくあってそう、あってなさそうというあいまいな基準でサイズを決定していました。
しかし、革靴のデザインや作りをすごく気に入っていたとしても、サイズを間違えていたために足が痛くなったり、歩き心地がよくなかったりして結局は履かなくなってしまうこともあるはず。
そういうわけで今回はサイズを間違えない、革靴の正しいフィッティング方法について解説していきます。
正しいフィッティングの重要性について。
長く履くためには、正しいフィッティングを。
何故、正しいフィッティングが必要かというと、長く履く為。サイズがあっていない場合は歩きにくさがでたり、靴ずれを起こしてしまったり。また、靴があってない事で歩き方が変になる結果、腰痛を引き起こしてしまうことも。
また、サイズがあっていない革靴を履くことは私たちユーザーだけでなく、革靴そのものにとっても有害。変なしわが入ってしまう、クラックが起こりやすくなる、心材の部分が折れるなど、靴の寿命が縮んでしまうのです。
こういった様々な理由からわかるように、正しいフィッティングが出来ていないといいことが無いのです。
相談はできるが、決めるのは自分自身
革靴を購入する際には、フィッティングを相談してくれる店員さん、いわゆる「シューフィッター」が存在するもの。親指がこの辺だからこのサイズがいいですよーなんて感じで相談に乗ってくれるでしょう。
しかし、その店員さんによって知識量はまちまちなので、本当に正しいフィッティングができているかどうかは微妙なところです。
さらに言えば、履き心地をわかるのは自分だけ。フィッティングにはヒールや土踏まずのアーチ、ボールジョイントと呼ばれるこの3点がフィットしているか確認しなければなりません。
他人から確認できるのは外から見える部分だけなので、その他は自分で確認する必要があります。試し履きのポイントをさらっとおさらいするだけでも、正しいフィッティングができるようになる確率はグン!グン!って感じで上がります。
正しくフィッティングするために必要な4つのポイント。
先ほどもちょっと触れましたが、フィッティングにおいて確認しなければならない重要なポイントは次の3つです。
・ヒール
・土踏まずのアーチ
・ボールジョイント
この3つがフィットするかどうかを確認する必要があります。
【Step1】ヒールの確認をする。
まず初めに行うのはヒールのフィット感を確認すること。
全体のフィット感を確認するためには、かかとを革靴のヒールにピタッとくっついていることが大前提。なのでかかとをぴったりとヒールに付けた状態で紐を占めるようにしよう。
※この靴は大きめだったので、ヒールカップが余っています。
この時点でヒールカップが余っていると、歩くたびにかかとが浮いてしまうし、窮屈だと足が疲れやすくなったり痛みの原因になりがち。また、どちらも靴ずれを起こす原因になります。
・かかとを付けて紐を結べているか?
・結んだ際、ヒールカップは適正サイズか?
この2点をフィッティングの際に確認するようにしましょう。
かかとは履き心地を決定する上で最も重要なファクターなので、「まあいいか」と妥協しないようにしたいところ。
【Step2】小指周りを確認する。
革靴を履く上で、最も体重の負荷がかかるのは、実は小指。フィッティング時に気にされている方は意外と少ないのではないでしょうか。
小指周りは足を靴に固定するために必要な場所で、アッパー革の側面が小指に点で当たっていると不可が大きくなりすぎて歩くたびに足が痛くなってしまいます。
大切なのは小指が面で当たること、すなわちアッパー革の側面に沿うようにして小指がフィットしていれば不可が分散されるため痛みが発生しない。
・小指周りはアッパー革に対して面で当たっているか
・窮屈ではないか
この2点をフィッティングの際に確認しておくようにしましょう。
【Step3】ボールジョイントの位置を確認しよう
ボールジョイントとは、親指と小指の付け根の外側部分(を直線で結んだ当たりの)ことを指します。ちなみに、親指の付け根のことをインサイドボール、小指の付け根をアウトサイドボールと呼びます。
このボールジョイントが安定しているかを確認する必要があります。歩いていて靴の中でこの2点がぐらぐらするようであれば、その靴はあなたにフィットしていないことになります。
※革靴だとしわが入っているあたりにボールジョイントが来るイメージです。
ちなみにこのボールジョイントが定まっていない場合には、靴ずれはもちろん、歩きにくさや変なシワ発生の原因になります。
・親指、小指の付け根は歩いてもぶれないか?
・ボールジョイントがわからない人は店員に聞いてみよう!
この2点をフィッティングの際に必ずチェックです。
【Step4】普段と同じ姿勢で歩こう。
最後は、普段と同じ姿勢で歩いてみましょう。歩く中でStep1~3のポイントを確認してみて、大丈夫そうだったらあなたは正しい革靴のフィッティングができていることになります。1~3を確認するついでに、土踏まずのフィット感が大丈夫かどうかも、合わせて確認しておくと吉です。
普段通り歩かない(何となく強く踏みしめてみる)などは結局普段しない動きなので正確なフィッティングはできない他、革靴を傷つけがち。フィッティング時はあくまで商品なので、そのような行為はやめるようにしましょう。
革靴をフィッティングする上でやってはいけないことまとめ。
革靴は傷つきやすい商品です。スニーカーなどの合成物とは違ってあっさり傷やシワが入ります。商品なので丁寧に扱ってあげなければいけません。
そんなわけで、革靴を傷つけるのでフィッティング時にはやってはいけない行為(だけどやりがちなもの)を以下にまとめておきました。
・(手に取るとき)つま先をもつ
・靴べらを使わない
・強く足踏みする
・つま先をコンコンしてしまう
・革靴を履いた状態でしゃがみこむ
つま先をもつ。
靴を手に取る際、つま先部分をつまむような形で持ち上げる人がいますが、あれはご法度。つま先を傷つけたり芯を曲げたりしてしまう恐れがあるほか、磨かれている場合にはつま先に指紋を付けてしまうことも。
革靴を手に取る際には、ソール部分をやさしく持ってあげるようにしましょう。
靴べらを使わない
靴べらを使わずに革靴を履くのも基本的にはよくありません。履く際にかかとを傷つけてしまうおそれがある為です。
フィッティングの際には極力靴べらを利用するようにし、ない場合は十分に靴ひもを緩めた状態でかかとに負担がかからないように履きましょう。
強く足踏みをする
強く足踏みをすることで革靴に変なシワが入ってしまったり、傷が入ってしまう場合があります。「つま先をコンコンする」「深くしゃがみ込む」なども同様の理由でNG。自分の靴でも普通にNGですが、購入前の商品ならなおさらやってはいけません。
NG集まとめ
商品の革靴を傷つけると店員さんに嫌われるので、丁寧なフィッティングをするように意識しましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は革靴の正しいフィッティングについての解説でした。もう一度確認しておくと、
・かかとがフィットしているかどうか
・小指は面でフィットしているか
・ボールジョイントは安定しているか
この3点を普段通り歩きながら確認するようにしましょう。
今回ご紹介した方法はたった3つのポイントだけですので取り入れやすいはず!正しいフィッティングで、自分のサイズにぴったりの革靴を選べるようになってくださいね。ではまた。