どうも、靴磨き職人の村上友哉です。
皆さん、靴磨きしてますか?サラリーマンや就活生等、スーツを着る職業の人にとっては毎日の仕事を共にする大切な存在である革靴。毎日手入れしてピカピカの状態を保ちたいもの。
しかし、革靴の手入れ用品というのは種類があまりにも多いもの。東急ハンズなどの革靴手入れ用品を扱うお店に行ってもどれを購入すればよいのか全くわからないはずです。そのため、革靴手入れのセットを購入される方も少なくありません。
ただ、そのような革靴手入れセットも本当にピンキリです。正しい手入れができるような内容構成になっているものがある一方で、内容物では十分な手入れができないものも存在するのです。
という訳で今回は初心者でも良心的な革靴手入れセットが選べるよう、靴磨き職人が良い商品の条件についてお話ししたいと思います。
革靴手入れセット、ちゃんと選べてる?
靴磨きセットを購入するメリット
革靴手入れセットは先ほどもお話ししたように初心者にとってありがたい存在です。このようなセットを購入する利点としては次のようなことが挙げられます。
・靴のケアに必要なものがすべて詰まっている
・大体の場合ポーチや箱に入っており、持ち運びや保管が楽
・それほど価格が高くない
革靴手入れセットで購入すれば、必要なものが全部詰まっている為、どれを購入すればよいか悶々と悩む必要がありません。さらに言えば靴磨きの説明書なんかが入っていることもありますので、わざわざ自分で使い方を調べる必要がないのです。
また、大体の場合にはポーチまたは箱に入っています。簡易的なものはポーチ、それなりに高級なものだと木の箱なんかにはいっています。収納の際すごく便利です。バラバラで購入すると悲惨なことになりますし、結果的に別途ケースを購入する羽目になります(体験談)
最後最も良い理由としては価格が安いこと。僕が一番初めて靴磨き道具をそろえた時、軽くそろえただけなのに全体で2万円強かかりました。
それに対して革靴手入れセットを購入すると5000円以内で購入できることが大半です。高くても1万円ぐらいでしょうか。必要最低限のもののみ購入できますし、バラバラで購入するよりも圧倒的に安いことがわかります。
革靴手入れセットを購入するデメリット
一方で、これらを購入するデメリットも実は存在します。具体的には以下の通り。
・手入れに必要なものが入っていない
・入っている道具が安物
・あくまでも最低限の道具である
一つずつ解説していきます。まず一つ目は「手入れに必要なものが入っていないこと。」このような手入れセットでは価格を抑えるために本来使用するべき道具が同梱されていないことが往々にしてあります。安価な商品にありがちです。
抜けているアイテムをまた別途購入しなければならないので、そのような手入れセットはお勧めできません。
次のデメリットは入っている道具が安物であること。これももちろん商品次第ではありますが、セットに入っているブラシ等はケースに入れなければならない都合上、小さいミニブラシ等安物が使われている場合が多いです。ブラシは靴磨きの基本なので、本来はしっかりしたものを購入したいところです。
最後はあくまで最低限の道具しか入っていないという事です。もちろんこれも商品によって差はありますが、比較的安価なものであれば基本の道具しか入っていません。自分がどこまでの靴磨きをしたいかによって購入するべき商品は変わってきますので注意しなければなりません。
手入れセットに入っているか、チェックしたいアイテム6選
革靴の手入れセットを購入する上で必ず見なければならないのは「最低限必要な靴磨き道具が入っているか?」ということです。必ず入っておいてほしいアイテムは次の6つです。
・汚れ落とし(リムーバー)
・靴クリーム
・靴ワックス
・馬毛ブラシ
・豚毛ブラシ
・磨き布
汚れ落とし(リムーバー)
靴を手入れする上で必要なのがまず汚れ落とし。一般的には「リムーバー」や「クリーナー」と呼ばれます。
この汚れ落としを利用することで、砂やほこり汚れはもちろん落ちる他、油汚れ、前回磨いた際に付けた古くなった靴クリームやワックスを落とすことができます。
この作業を行うことによって、靴クリーム(靴に油分を入れてあげる)作業が効果的にできるようになります。
靴クリーム
靴クリームは革靴に油分を入れてあげる働きを持っています。革靴の革というのは直球な言葉でいうと「死んでしまった動物の皮」です。水分や油分がどんどん抜けていくので、人工的に追加してあげる必要があります。そのため、クリームが必要なのです。
クリームを追加してあげなければ革の表面が割れてしまったり、色褪せたりします。定期的に入れてあげるように心がけましょう。
靴ワックス
靴ワックスはほとんどが蝋(ろう)成分で出来ています。革靴を光らせる役割を持っている他、塗布した部分の浸水を防ぐ役割を持っています。
靴磨き職人は主にこのワックスを利用することで人々の靴を光らせることに成功しています。靴磨き職人のようにピカピカに仕上げたいと考えている方はワックスが入っているセットを選びましょう。
最低限革靴が割れたりしない程度にケアしたいだけであれば必要ありませんが、きれいに仕上げたいなら必須です。
馬毛ブラシ
馬毛ブラシは主に日々の手入れに利用します。履いた直後や、靴磨き前にほこりを落とす目的で利用されます。毛が豚毛に比べて柔らかいことが特徴で、革を傷つけることがありません。
クリームなども大切ですが、最も重要なケアは実はブラッシング。多くの人がブラシのことを重要視していませんが、本当はお金をかけたいアイテムです。
豚毛ブラシ
豚毛ブラシは馬毛ブラシに比べ毛が固いことが特徴です。そのため、靴磨き時のクリームを塗った後、なじませる目的で利用されます。
靴クリームは塗っただけでは革に浸透してくれないため、硬い毛をもった豚毛ブラシで強めにブラッシングしてあげることで浸透していくのです。
これが無ければ靴クリームが浸透してくれないので、必須のアイテムです。
磨き布
靴磨き用の布です。通常汚れ落とし用(網目が少し荒いもの)と、仕上げ用(網目が細かいネル生地)の2種類あると理想です。セットに入っているのは通常1種類だと思われますが。
ちなみにこちらは使い古したTシャツなどでも代用可能ですが、不要なシャツを見つけて裁断しなければならないなど結構めんどくさいので、入っていなかった場合でも購入してしまったほうが話が早いです。
また、布でなくてもポリッシュミトンなどがあれば代用可能です。
どうしても安く抑えたい...!そんな時は最低限この4つのアイテム。
【入っておかないと話にならないもの】
・靴クリーム
・馬毛ブラシ
・豚毛ブラシ
・靴磨き布
【あるとより良いもの】
・靴ワックス
・クリーナー
先ほど6つのアイテムは靴磨きに必須であるというお話をしましたが、どうしても金銭的な問題で安く抑えたい...!そんな時は上記の4つのアイテムがあれば最低限靴磨きをすることができます。
先ほど6つのアイテムは必要不可欠ではあるものの、次の2つは
・靴ワックス→靴を光らせる、防水の役割
・クリーナー→クリームの吸収率を高める役割
であるため、最悪の場合なくても何とかなります。
良心的な手入れセットまとめ。
今回は、AMAZONで手軽に入手できる革靴手入れセットに絞って、値段別にまとめていきます。
ここで紹介するものは最低でも4つのアイテムがすべて網羅されているもの(足りていない場合は合わせて購入すべきものを提示してある)となっています。
では紹介していくぞ!
2000円台
【M.モウブレイ 靴磨きセット】1979円
安心と信頼のMモウブレイが出している革靴手入れセットになります。中に入っているのは、
・クリーナー
・クリーム(デリケートクリーム)
・ブラシ
・竹ブラシ
・靴磨き布
の5点になります。2000円という価格にも関わらず、ここまでそろっているのはかなりお買い得だなと感じます。
靴をピカピカにするというよりは、革靴に栄養を与えてひび割れたりするのを防ぐ目的で利用されるセット内容となっています。
このセットに含まれるクリームは透明で、どんな革にも利用できるものなので汎用性は抜群です。
ただ、馬毛ブラシ(ホコリ落とし用のブラシ)が同梱されていないので、それに関しては別途購入することをお勧めします。
馬毛ブラシはこれがお勧め。
光らせたい場合は合わせてこれも購入すると良し。
【エムモウブレィ×シューズマスター 革靴手入れセット】2160円
エムモウブレイとシューズマスターがコラボした、スタンダードな革靴手入れセット。内容物として、
・靴クリーナー
・靴クリーム(黒)
・ブラシ2本(化学繊維、馬毛)
・ミニクロス(リムーバーで汚れ落としに使う)
・ポリッシュミトン(クリーム塗布後の艶出しに使う)
・竹ブラシ(普通のブラシで届かない隙間に)
価格帯が2160円、必要なものがほぼすべてそろっていたのでご紹介しました。
先ほど紹介した靴磨きセットは革に栄養が与えることを中心に考えて作成されたセットになりますが、今回の物は艶出しを中心に考えられた靴磨きセットとなります。
靴磨き布が2種類、クロスとミトンがついており、それぞれ汚れ落としと艶出し別々に利用できることや、ブラシが2種類ついていることも高評価です。
3000円台
【ブートブラック 銀座大賀靴工房 革靴手入れセット】3380円
プロも愛用するブートブラックをセット化した革靴手入れセットになります。
内容としては
・靴クリーナー(チューブ)
・ブートブラック靴クリーム(無色orブラックを選択可能)
・ブラシ2種(化学繊維、馬毛)
・ミニブラシ(クリーム塗布用)
・竹ブラシ
・靴磨き布(汚れ落とし)
・ポリッシュミトン(艶出し)
ブートブラックの靴クリームは低価格のラインと比べ、上品な光り方をすることで知られています。ハイシャインに必要なワックスなどは入っていませんが、これだけでも十分にお手入れが可能です。
馬毛ブラシも入っており申し分ありません。
また、艶出し用のポリッシュミトンについても、2000円台の物よりも上質な物となっております。化学繊維ではありますが柔らかく、ツヤが出やすいものが採用されています。
【サフィール×シューズマスター 革靴手入れセット】3240円
こちらはシューズマスターが出している革靴手入れセットになります。内容は
・靴ブラシ2種(馬毛、豚毛)
・靴クリーム(無色&黒)
・汚れ落とし
・クロス(1枚)
・竹ブラシ(2本)
このセットの素晴らしい点は、3000円という価格帯ながら、ブラシが化学繊維ではなくナチュラルなもので作られている点。
豚毛ブラシはクリームを塗布&塗り込む際に使われるんだけど、使い込むと豚毛本体にクリームがなじむので、結果的にブラシだけで超ひかるブラシができあがるのでおすすめ。
しかもクリームが無色と黒両方ついているので、黒はもちろんの事、他の色の靴も手入れできるのが強み。
4000円以上
ここまで出すと6つのセットがフルでそろいます。
【ブートブラック 革靴手入れセット デラックススターターセット】4480円
2個前に紹介した商品のDX版になります。プロも利用するブートブラックのセット商品で、内容としては
・靴クリーナー(チューブ)
・ブートブラック靴クリーム(無色orブラックを選択可能)
・ブラシ2種(化学繊維、馬毛)
・ミニブラシ(クリーム塗布用)
・竹ブラシ
・靴磨き布(汚れ落とし)
・ポリッシュミトン(艶出し)
・ブートブラック ワックス
ワックスが追加されました。
これで必要な6つのアイテムは全部そろいます。完璧に手入れしたい!と考えている方はこちらの革靴手入れセットがおすすめですぞ。
【サフィールノワール×シューズマスター 革靴手入れセット】5480円
言わずと知れたサフィールノワールの革靴手入れセットになります。サフィールノワールのクレム1925という、すごく光りやすい靴クリームがセットになってます。
・靴クリーム サフィールノワール クレム1925(黒orニュートラル)
・馬毛ブラシ
・豚毛ブラシ
・磨き布×2
・竹ブラシ
こちらもこれ一つ買ってしまえば全部そろうセットになっています。クレム1925単体で購入しても2000円以上することを考えるとかなりお得なセットになっています。
この中では一番高いんですけど、僕だったらこれ買いたいですかね。おすすめ!
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は良い革靴手入れセットと悪い革靴手入れセットを見分ける基準から始まり、値段別にお勧めのセットを解説させていただきました。
冒頭でもお話ししましたが、バラバラで購入するとあれもこれも欲しいとなって結果的にかなりお高くついてしまいます。セットで購入すると案外安く済みます。
靴磨きセットで5000円!?と思われるかもしれませんが、一度買ってしまえばかなり長く利用できます。例えば、最後に紹介したクレム1925のセットを一度購入してしまえば、100回程度は磨けることでしょう。
自分が利用するため、プレゼント用など、用途は様々だと思いますが、今回の記事を参考に、自分のお財布と用途に合わせた革靴磨きセットを模索してみてくださいね!ではまた!
僕が一番お勧めな革靴磨きセットはこれ!
正しい靴の磨き方の解説記事はこちらから!