今回は一眼レフについているモードについて解説します。正式には「露出モード」って言われてるやつ。
具体的に今回は僕の一眼レフ(canon kiss x3)についてた6つのモード(Pモード、TVモード、AVモード、Mモード、CAモード、A-DEPモード)について解説しようと思います。
モード解説の前に知っておきたいこと
モード解説の前に知っておきたい知識があります。それは「露出」ということ。
露出を決めること=写真の明るさを決定することです。
要するにちょうどいい明るさの写真を取るためには露出の調整をしなければならないということです。
露出を決定する二つの要素。
露出の大きさを決定するのは「絞り値」と「シャッター速度」です。
絞り値(=F値)とは、レンズの中でどの程度光を入れるのかを決定する値のことです。F値が小さければ光量が多くなるので写真は明るくなり、F値が大きいほど光量が少なくなり暗い写真となります。
ちなみに、F値を小さくすると、背景がボケるようになり、大きくすると背景がくっきり移ります。
例えば、F値を小さくして背景をぼかすとこんな感じになります。
シャッター速度は、そのままの意味でシャッターを切る速度のことを指します。遅く切れば光量が多くなるので明るい写真となり、早く切るほど光量が減るので暗い写真になります。
ちなみに、シャッター速度を遅くすると動きのある写真になり、早くすると止まったような写真が撮れます。
例えば、シャッター速度を早くするとこうなります。
F値とシャッター速度を調整する。
こんな感じで、F値とシャッター速度を変更するといい感じの写真が撮れることがわかっていただけたのではないでしょうか。
話を戻すと、「F値」と「シャッター速度」を変更して露出を調整しなければならない、ということでした。
F値とシャッター速度を調節して、光量を調節することでちょうどよい明るさの写真を撮影することができるようになります。
つまり、背景がボケた写真が撮りたい場合はF値を小さくする必要があるのですが、小さくしすぎると光が入りすぎてしまうのでシャッター速度を早くすることで光量を少なく抑える必要があるということです。
撮影モードの説明。
一通り、「露出」「絞り値(F値)」「シャッター速度」についてわかったところで、次は撮影モードについて説明します。
Pモード(プログラムオートモード)
プログラムオートモードとは、先ほど説明した「絞り値」と「シャッター速度」を全自動で決定してくれるモードのこと。もはやほぼ全自動に近い。
全自動と違う点はISO感度や、露出補正、ホワイトバランスなど、一眼レフならではの小難しい設定の一部が解放されること。
プログラムオートの利点
プログラムオートの利点は絞り値とシャッター速度を自動で設定してくれるため、写真が暗すぎたり、明るすぎるといった失敗をしなくなることにあります。
また、プログラムシフトという絞り値とシャッター速度の比率を保ったまま組み合わせを調整する機能があります。
つまり、F値を小さくしたらシャッター速度を大きく、F値を大きくしたらシャッター速度を遅くするのを自動でやってくれるということです。
そのため、ぼかした写真を撮ったり、止まった写真を撮ったりとある程度柔軟に対応できるようになってます。
プログラムオートの欠点
プログラムオートの欠点は、比率がすべて全自動で決まってしまうので自分で明るさを調整できないことや、レンズの良さを引き出せないことにあります。
あと、一眼レフにおいて重要な「絞り値」「シャッター速度」を考えることなくサクサク取れてしまうので、一眼レフの腕は上達しなさそう。
プログラムオートを使うべきシーン
・旅行で写真をサクサクとりたい
・失敗写真が許されないとき(全体写真とか)
・ポートレートなどすぐにポーズが変わるやつ
・使い方わからないけどとりあえず全自動は嫌だという人。
AVモード(絞り優先オート、別名Aモード)
AVモードは、絞り値(F値)だけを調整できるモード。自分でF値を変更すると、それに合わせてカメラ側でシャッター速度を自動で変更してくれます。
ぼかした感じを出したい場合や、超広角レンズなどを使って背景をくっきり見せたいときなどに使うことが多いモードです。
なお、絞ることで画質が向上する効果も得られます。(なお、絞りすぎると画質低下)
AVモードを使うべきシーン
・ぼかし具合を調整したい
・くっきり見せたい
・絞り値の練習をしたい
日本人のアマチュアカメラマンが好んで使うモードらしい。
TVモード(シャッター速度優先オート、別名Sモード)
TVモードはシャッター速度を自分で調整すると、自動で絞り値を決定してくれるモードです。
動く被写体を撮影するときにシャッター速度を早くすると簡単にぶれない写真が撮れるようになるのでそういうときのためのモード。例えば運動会とか動物を取るとかそういう時用。
逆に、あえて動きのある写真を撮ったりするときにも使えるモードです。
シャッター速度を遅くして車の動きを線のようにしたりすることもできます。
TVモードを使うべきシーン
・運動会などでぶれない写真を撮りたいとき
・動きのある写真を撮りたいとき
・写真みたいな幻想的な写真を撮りたいとき(雪、光、etc...)
海外のアマチュア写真家がよく使うらしい。
Mモード(マニュアルモード)
マニュアルモードは「絞り値」「シャッター速度」を全部自分で決めるモード。
いつでもどこでもF値とシャッター速度が調整できる玄人のカメラマンや、室内などの撮影環境が一定に保たれている場所での撮影、物どりの際に使われるモード。
Mモードを使うべきシーン
・カメラを使いこなせるようになった
・物を撮るときに思い通りの写真を作りたい(オークション出品用とか)
初心者には難しいモードです。
CAモード(クリエイティブオートモード)
クリエイティブオートモードは今までのモードとはちょっと違います。最大の違いは「絞り値」「シャッター速度」など細かな一眼レフの知識が全くいらないこと。
・背景のぼかし具合
・ストロボ(フラッシュ)を出すか出さないか
・写真を明るくするか暗くするか
・撮影モード(肌を明るく、景色をきれいに...)などが変えられる
みたいな項目を5段階ぐらいで変更することで自分が撮りたい写真が撮れるというもの。「絞り値」とか「シャッター速度」の知識がなくても取りたい写真をクリエイトできます。
細かい調整はできませんが、全自動と比べてずいぶん違った味の写真が撮れるようになる面白いモードです。
なお、カメラの勉強したい人には全くお勧めできないモードです。
A-DEPモード
A-DEPモードはピントを最大限合わせて撮影するモードのことを指します。ピンボケを防ぐモード。
具体的には「絞り値」が常に最大の状態で撮影されるモードで、それ以外はPモードと同じ機能です。
複数被写体があって、それを均一に移したい場合。(例えば、複数人数いる場合に全員を鮮明に移したい場合)などに使用できるモードです。
でもあんまり使う機会はなさそうです。
結局初心者にお勧めのモードとは。
いろいろ書きましたが、結局おすすめのモードはAVモードかTVモードです。
せっかく買った高い一眼レフを使いこなす為には「絞り値」と「シャッター速度」を使いこなせるほうがいろいろな写真が撮れるようになるので楽しいです。
でも初めから両方を設定するのは難しいので、どちらか片方を自動で決めてくれるこれらのモードはお勧めです。
自分がどんな写真を撮りたいのか(ボケた写真、くっきりした写真、躍動感ある写真....)を決めてどちらのモードで練習するのかを決めるのが良いと思います。
以上、露出モードの解説でした!ではまた!