あなたは靴磨きの際に栄養クリームは利用されていますか?利用されていない方の中には、靴が次のような状態になったことがあるかもしれません。
・何となく表面がカサカサしている
・表面がひび割れた(クラックした)
・革が固い
基本的な靴磨きは汚れ落とし、クリーム、ワックスで十分なのですが、靴が上記のようなときは一般的な靴磨きだけでは栄養補給が不十分になることがあるのです。そんな時に利用するのがこの栄養クリームです。
栄養クリームにはMモゥブレイの「デリケートクリーム」などがお値段的にもお手頃で幅広い層から支持を得ているのですが、今回はそれよりもワンランク上の栄養クリームである、「コロニル 1909 シュプリームクリームデラックス」を購入しました。
この栄養クリームは靴マニアはもちろんの事、靴磨き職人もヘビーユーズするほどで評判は折り紙付き。一言でいうと超絶人気のクリームなのです!
しかしやはりお値段張ることもあって他の道具やクリームをそろえないといけないのでシュプリームクリームデラックスを購入するのを躊躇してしまう...なんて気持ちも分かります。でも、もしあなたがこれを使ったことが無いのであればすごくもったいない!
というわけで今回はこのクリームの基本情報から、プロに選好される理由、そして実際に利用してみた感想を赤裸々にお話しします。あなたに良さが伝わると嬉しいな!それでは早速、コロニル 1909 シュプリームクリームデラックスがどのようなクリームなのか、確認していきましょう。
- そもそも栄養クリームとは
- コロニル1909シュプリームクリームデラックスの基本情報
- コロニル1909シュプリームクリームデラックスがプロに選好される理由とは?
- コロニル1909シュプリームクリームデラックスの使い方
- 開封してみる
- 実際に磨いてみる。
- 使ってみて分かったメリット・デメリット
- まとめ
そもそも栄養クリームとは
コロニル 1909 シュプリームクリームデラックスのレビューや評判についてお話しする前に、そもそも栄養クリームとはどのようなものなのかお話ししたいと思います。
栄養クリームの効果
栄養クリームとは靴を光らせるためのクリームではなく、革に栄養を補給及び保護を効率よく行うために存在するクリームとなっています。
動物の革に必要な成分は大きく2種類あり、まず一つ目が水分、二つ目は油分となっています。靴を光らせることを目的として作られたクリームは油分が多めに作られているほか、靴を光らせるための蝋(ろう)と呼ばれる成分が多く含まれています。
それに対して、靴に効率よく栄養を与えることを目的に作られた栄養クリームは8割程度が水分となっており、最低限栄養補給のために必要な油分、その他添加物などが配合されています。栄養クリームの場合は栄養補給を行うことが第一の目的である為、必要以上に光る成分(例えば蝋)などは極力配合されず、さらっとしたクリームとなっています。
例えば、栄養クリームとして有名なモウブレィの「デリケートクリーム」や、今回紹介する栄養クリーム「コロニル 1909 シュプリームクリームデラックス」には、その成分の大半が水分。
両者ともに羊などからとれる天然の蝋成分である「ラノリン」が少量含まれていますが、これは光らせるためではなく革の表皮を保護するために必要な成分となっています(化粧品などにもよく利用される)。
栄養クリームはこのように、最低限の成分しか含まないゆえに幅広い革や製品に利用可能であるほか、成分の大半が水分ということもありシミになりにくいという特徴があります。
栄養クリームを塗るとどうなるのか。
栄養クリームを塗ると靴がどのように変化するのか?上記の説明だけでは不十分だと思いますので、具体的な例を挙げると次のようになります。
・表面に栄養が与えられ、ひび割れや乾燥を防ぐ
・しっとりした仕上がりになる
・革に柔軟性が与えられ、履きやすくなる、靴ずれの防止になる。
まず一つ目のひび割れや乾燥を防ぐ役割についてです。靴を履いていると靴のしわ部分がひび割れてくることがしばしばあります。
靴磨きをする頻度が開いてしまったり、水にぬれたにもかかわらず放置しておくと油分と水分が抜けてしまって革の柔軟性が失われることが原因。そこで、普段の靴磨きにプラスして栄養クリームを入れてあげることで解決することができます。
次に二つ目はしっとりとした仕上がりになること。普段から靴磨きをしない人であれば、栄養クリームを入れただけでも新品同様に靴がきれいになるケースがほとんど。栄養クリームなのでそれほどツヤは出ないことが多いですが、水分と油分がしっかりと川に入るだけでも見た目は大きく変わります。
最後三つ目は履きやすくなること。水分を多く含む栄養クリームを塗布することで、川に柔軟性が与えられ履きやすくなるほか、靴擦れなどが起こることを防ぐ役割を持ちます。あれ、なんか履きにくいな?と感じた場合には栄養クリームを入れてあげるだけでかなりの確率で改善します。
また、まだ履いたことのない新品の靴を履き下ろす際も同様に栄養クリームを塗布してあげることで革を柔らかくすることができます。新品の靴は在庫として保管されているうちに水分と油分が抜けてしまって表面が固くなってしまっているケースがほとんどです。
そのまま履いてしまうと当然変なしわがついたり、ひび割れの原因となったり、履きにくい、靴擦れとなるのですが、栄養クリームを入れるだけでこれらの問題がすべて改善してしまいます。
コロニル1909シュプリームクリームデラックスの基本情報
前置きが長くなってしまいましたが、栄養クリームとは何かということについて一通り知ってもらえたところで「コロニル1909シュプリームクリームデラックス」の基本情報について紹介していこうと思います。
コロニル1909シュプリームクリームデラックスとは
コロニル1909シュプリームクリームデラックスは、ドイツの会社である「ザルゼンブロッドアンドカンパニー」のブランドであるコロニルから発売されている、革の保湿と柔軟性の向上、艶出しを目的として作成された栄養クリームとなります。
他の栄養クリームにはないさらっとした肌ざわりが特徴であるほか、革にすっと栄養が吸収されることからシミにもなりにくいことから最強のクリームと呼ばれています。さらに、香りが良いことでも有名。
元々は似たような商品でプレミアムディアマントという商品が販売されていました。ブリフトアッシュの長谷川さんを始めとして全国の靴磨き職人に愛される商品だったのですが、廃盤となりました。
その後継商品として発売されたのが「コロニル1909シュプリームクリームデラックス」となります。使い勝手や補色力はもちろんの事、香りまで良くなっている上位互換品となっています。
色は全部で7色
コロニル1909シュプリームクリームデラックスのカラーバリエーションは全てで7色となっています。
・ニュートラル(無色)
・ブラック
・ダークブラウン
・ミディアムブラウン
・タン
・バーガンティー
・ブルー
栄養クリームの割にはカラーバリエーションが段違いに多いのが「コロニル1909シュプリームクリーム」の特徴になります。奇抜なイエローやレッド、グリーンなどの色はありませんが、上記の7色あれば大体の靴はカバーできるのではないでしょうか。
出典http://www.collonil.jp/1909supremecremedeluxe/
他にも靴磨き道具を持っており、補色できるのであればニュートラル一択になりますが、他の靴クリームなどを持っておらず、「コロニル1909シュプリームクリーム」だけでケアを済ませたいのであれば自分の持っている靴の色に合わせてカラーを選択すると良いでしょう。
1909シュプリームクリームデラックスの成分について。
コロニル1909シュプリームクリームに配合されている成分は以下の通りです。
・シダーウッドオイル
・ラノリン
・フッ素化炭素樹脂
まずシダーウッドオイルについてです。シダーウッドオイルとは針葉樹からとることができる油のことを指します。革への油分補給のための成分となります。コロニル1909シュプリームクリームデラックスは、何となく香る優しい香りが特徴なのですが、この香りはシダーウッドオイルによるものです。
次にラノリンとは、主に羊などから分泌される蝋(ろう)成分の一種となります。冒頭でも紹介したように、ラノリンは靴を光らせる役割というよりは、革の表皮を保護する役割を持った蝋成分となります。人が利用する化粧品などにも利用されることからも分かるように、安全性抜群の天然成分ですね。
最後はフッ素化炭素樹脂となります。これは防水スプレーなどにも含まれている成分で、これが少量含まれています。これが含まれていることで水分や他の油分をはじく効果が見込まれ、汚れや雨の対策として有効です。
なお、有機溶剤は含まれていないのできついにおいがすることもない他、塗りすぎによって革を傷つけるなんて心配も不要です。
コロニル1909シュプリームクリームデラックスがプロに選好される理由とは?
コロニルの1909シュプリームクリームデラックスが、プロの靴磨き職人に選好される理由をご存知ですか?
デリケートクリームを始めとして、栄養クリームは様々な会社から発売されているにもかかわらず、多くの靴磨き職人がシュプリームクリームデラックスを利用する理由は次の3点にあります。
・浸透力が高い
・伸びが良い
・シミになりにくい
浸透力と伸びが他のクリームに比べて段違いで良いんですよね。通常のクリームであれば塗布した後すぐに浸透せず、乾燥させたりブラッシングを行って革の内部に入れ込むようにするのですが、コロニル1909シュプリームクリームデラックスは塗った直後にすっと浸透し、栄養補給が完了します。
言葉では言い表しにくいのですが、コロニル1909シュプリームクリームデラックスは触った感じクリームがさらさらしていて塗布しやすい傾向にあります。クリームを取りすぎているとすぐにわかるので初心者でも扱いやすいです。
また、水分量が多いにもかかわらずシミになりにくいので高級靴をケアする際にも安心して利用できる点がプロから評価されている理由です。
コロニル1909シュプリームクリームデラックスの使い方
コロニル1909シュプリームクリームの使い方は次の通りです。
1.馬毛ブラシでブラッシングし、ほこりを落とす
2.クリーナーを使って汚れや古いクリーム、蝋成分を落とす
3.コロニル1909シュプリームクリームデラックスを塗布する
4.豚毛ブラシでブラッシングする
5.余ったクリームを乾いた布でふき取る
また、光らせたい場合はこの工程に加え、山羊毛ブラシに水を数滴つけてブラッシングを行うと、栄養クリームにもかかわらず良いツヤを出すことができます。
他のクリームを合わせて利用する場合は、
1.コロニル1909シュプリームクリームデラックスを塗布
2.他のクリームを塗布
3.豚毛ブラシでブラッシングする
4.余分なクリームをふき取る
という工程になります。その後、鏡面磨きにするのも良いでしょう。
開封してみる
こちらがコロニル1909のシュプリームクリームデラックスになります。やはりそれなりにお値段がするだけあって高級感のあるパッケージとなっています。
パッケージのサイド部分には使い方や成分表示、利用できる革の説明、商品の特徴などが事細かに記載されています。
表面を覆っているセロファンをとった時点でシダーウッドオイルの良いにおいがします。靴磨きのクリームのにおいなどは賛否両論あり、好きなにおい嫌な臭いは人それぞれだと思いますが、これは万人受けする匂いですね。
開封するとこのような形でクリームが封入されています。
ケースはプラスチックで作られており、高所からの落下などでガラスが割れることもないので管理が簡単です。
実際に磨いてみる。
それでは実際にコロニル1909シュプリームクリームを使って磨いてみましょう。
今回はまだ履きおろしが終わっていないフィリピン製の靴を用意しました。購入したのがかれこれ2018年の2月なので、大体半年ぐらい何も手入れせずに保管していたことになります。正しい保存方法で保管していたのでカビなどは全くありませんが、やはり革はかなり乾燥しています。
ブラッシングでのほこり落としからクリーナーでの汚れ落としが終わった状態からのスタートになります。
それではさっそくコロニル1909シュプリームクリームを使っていきましょう。
触った感じはゼリーとか杏仁豆腐的な柔らかさです。普通のクリームだとすっと指が入ってクリームが取れると思うのですが、このクリームはなんというか、弾力性があります。この時点で他のクリームとは異色ですね。
クリームをとる量はこの程度です。軽くなでるようにして取れる量がちょうど適量になります。米粒で表すと1粒分ぐらいです。こんなに少ないの?と思うぐらいでちょうど良い具合です。
とりすぎると写真のように塊になって指にくっついてきます。このクリームは想像以上に伸びるので、これぐらい指に取ってしまうと取りすぎになります。とりすぎるとシミの原因となるので気を付けましょう。
塗布する際には全体にまんべんなく塗るのですが、履きジワの部分は特に栄養分が失われている傾向にあるので、通常よりも多く塗布するようにしておきます。
片方だけ塗布、片方だけそのままにしましたが、その違いは一目瞭然です。まだブラッシングもしていませんがよく吸収されていることが分かります。栄養クリームを塗っただけでこんなに差が出るなんて珍しいですよね。このクリームならではですね。
本当に塗布するだけでツヤが出ていますし、他のクリーム特有のべたつきなどもありません。
この後クリームとワックスで簡単に仕上げた結果、このようになりました。新品の靴であったこともあり、ケアする前は革ががちがちで履けたものではなかったのですが、ケアをした後はかなり柔軟性が増しました。
仕上がりの美しさもさることながら、履きやすさが増すので定期的にコロニル1909シュプリームクリームデラックスは使いたいなと思和されますね。
使ってみて分かったメリット・デメリット
その後も何足かコロニル1909シュプリームクリームデラックスを利用して靴磨きをしてみました。最後は実際に利用してみて評判通りの性能なのか、欠点はないのかなどをメリットデメリットを紹介する形で紹介します。
コロニル1909シュプリームクリームデラックスのメリット
・驚くほど浸透性が高い
・シミになりにくい
・革が柔らかくなる
・良く光る
コロニル1909シュプリームクリームデラックスは噂通り最高の栄養クリームでした。今まではモウブレィのデリケートクリームを利用していたのですが、吸収される速度がその比ではありません。
すっと浸透してべとべとせず、シミになる気配もないので非常に利用しやすいクリームです。
コロニル1909シュプリームクリームデラックスのデメリット
・塗布後の他のクリームが浸透しにくくなる
コロニル1909シュプリームクリームデラックスの唯一のデメリットは他のクリームの浸透が悪くなってしまうことです。最初に浸透力の高いクリームを入れてしまうので次のクリームが革に入りにくくなってしまうことは避けられません。
また、成分の一つに少量ではあるもののフッ素が含まれている為、油分が入りにくくなってしまうのも原因の一つです。今回はサフィールノワールのクレム1925を塗布したのですが、いつもよりクリームの乗り具合があまりよくありませんでした。
一部フィリピンからの輸送時についた傷があったのですが、その部分にうまくクリームが浸透せずに消えないままとなってしまいました。(その後ワックスで隠しましたが)
補色及びクリームを塗布するのであれば、コロニル1909シュプリームクリームは塗らないか、後塗りにするなどの工夫をする必要があります。後に塗る場合は多少クリーム乗りが悪くなるのは仕方ないと割り切るしかありませんね。
乾燥具合に問題ないのであれば、コロニル1909シュプリームクリームデラックスは無理に塗らなくて良いでしょう。体感的には2~3回おきに利用するのがベストです。
まとめ
今回は最強の栄養クリーム「コロニル1909シュプリームクリームデラックス」についてレビューしましたが、いかがだったでしょうか。
少しお値段張ることもあって購入がためらわれるこの商品ですが、他の栄養クリームとは段違いに有能です。僕自身「良いよ、買いなよ」と言われていましたが買わずじまいでしたが、実際に使ってみるとなぜ今まで使わなかったのか...と後悔しました。
カラーバリエーションも豊富で7色もありますが、とりあえずはニュートラル(無色)さえ持っておくだけで靴磨きがかなりはかどります。
まだ持ってない方は本当に使わないのがもったいないので、ぜひ一度試してみてくださいね!
※ちなみに、コロニルジャパンの定価は3000円程度ですが、Amazonだと2000円ぐらいから販売されてます!確認してみてね。