お気に入りの革靴にカビが生えたらあなたはどうしますか?とりあえず水に濡らしたタオルで拭いて様子を見る方が大半だと思うのですが、実はそれはカビをより繁殖させてしまうNGな対処法なのです。
そのため、革靴にカビが生えてしまうともう二度と履けない、不潔だと思われる方が大半だと思うのですが、実はどこの家庭にでも存在するであろうアイテムで簡単に対処できるのです。
そのアイテムとは...トイレの便座拭き(トイレ掃除シート)です。
結論から申しますと、便座拭きでまんべんなく靴表面をふき取ってあげればカビは死滅してしまうのです。今回はカビが発生する原因と、トイレの掃除シートを利用した靴カビへの対処方法についてご紹介します。
カビが生える原因は下駄箱にある。
お気に入りの革靴を久々に履こうとするとなぜか白い斑点ができていて困ったという体験は、誰しも1度や2度は体験したことがあるはず。丁寧に下駄箱に入れて保管していたのに、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。
カビが発生する原因は大きく分けて4つに分類されます。
・酸素があること
・温度が適温であること(20~30度程度)
・湿度が高いこと(80度以上)
・適度に汚れている(砂・ほこり汚れがカビの発生源・栄養源に)
つまり、しっかりとしたケアをしないまま下駄箱に入れた場合、酸素があり、温度が高く、湿度も高いためカビの発生が起こりやすいということになります。逆に言えば、これらの要素を一つでも満たすことができなければカビは発生しないと言えるでしょう。
生えてしまったカビはどうすれば対処できるか。
カビが生えてしまった場合は、以下の対処を行う必要があります。
・カビを死滅させる
・カビが再発しないよう先ほど紹介した4条件を満たさないようにする
まず、カビを死滅させるために必要になるのがカビ取り剤や除菌スプレーと言ったアイテム。カビ取り剤は多くの場合抗菌剤が含まれており、除菌スプレーは多くの場合アルコールが主成分となります。
次に、カビが再発しないよう4つの条件を満たさないようにするという点についてです。酸素を無くす・温度調節を行うという対策は少し難しいため、汚れ落としや湿度への対策が容易です。
【コラム】何故水拭きはだめなのか?
ちなみに、冒頭で水でふき取るのはNGというお話をしましたが、NGな理由としてはカビを死滅させる、4つの条件を満たさないようにするという点を両方満たすことができないからです。
水でふき取ることで見た目はカビがなくなったように見えますが、実際には革内部に張り巡らされているカビの根を根絶できず、なおかつ革に水分(湿度)という栄養分を与えてしまうのです。
革靴にカビが生えてしまった際の直し方
【STEP1】トイレ用掃除シートを用意する
まず最初に行うのはトイレの便座拭きを用意すること。よほどトイレ掃除をしない家庭でない限り、どこの家にもあるものだと思います。家にトイレ掃除シートが無いという方は、これを機に購入しておきましょう。靴とトイレはきれいに掃除しておいて損はありません。
トイレの除菌シートには先ほどご紹介した抗菌剤もしくはアルコールが含まれています。そのため、このシートを利用して革表面をふき取っておくことで革靴に発生してしまったカビ菌を除去することが可能になります。
【STEP2】トイレ掃除シートで革表面をふき取る
トイレ除菌シートを一枚手に取り、革靴全体をふき取っていきましょう。まず最初はカビが発生していない場所から拭き始め、徐々にカビが発生している場所を追い詰めていくようにふき取っていきます。
アルコールが主成分となっているトイレ掃除シートの場合、アルコールで染めている溶剤が溶ける&シートに移ってしまい色抜けしてしまうことがありますが、あとから靴磨きを通して復活させることができるので、それほど気にしなくても大丈夫です。
【STEP3】内側もトイレ掃除シートでふき取る
カビ菌はかなり頑固である為、外側からだけではなく内側からも死滅させておいたほうが非常に安心できるため、内側もふき取っておきましょう。
なお、カビ菌が人間の足に付着した場合は水虫の原因となってしまうため、それを防止する意味でも非常に効果的です。
また、ソール部分(靴底)も革で作られていることがいいため、そちらもふき取っておいたほうが良いでしょう。
※ふき取った後の除菌シートはふき取ったカビが付着しており、そのままごみ箱に捨てるのはお勧めできません。別途袋に入れて密封するか、そのままトイレに流して処分してしまいましょう。
【STEP4】2~3日乾燥させる
ふき取りが終わった後は2~3日かけて風通しが良く日の当たらない屋外で乾燥させましょう。カビは一度生えてしまうと革表面に根を張ってしまうことから、しっかりと死滅させなければ再発してしまう可能性がある為です。
湿度が低い状況を保つことで、根元からカビ菌を根絶させることができます。
なお、直射日光にあたれば紫外線による殺菌効果が見込めるものの、革の鞣し方によっては変色やべたつきが発生する可能性もありお勧めできません。(例えば、タンニン鞣しなどの製品の場合は日光によって化学変化が起こり、色や風合いが変わります。)
【STEP5】乾燥後、靴磨きを行う
抗菌剤やアルコールで表面を拭かれたり、乾燥にさらされた革靴はカビ菌に対して効率よくダメージを与え死滅させることができるものの、革そのものにとっても過酷な状態となります。そのまま放置すると革にダメージが入り長く利用することができなくなります。
そのため、靴磨きを行って油分と水分を再補給してこれからも末永く履き続けられるようにしましょう。靴磨きの詳細は別ページにて紹介しているため、そちらもご覧ください。
【まとめ】トイレ掃除クリーナーでカビ菌は落ちる!
今回はトイレ掃除のクリーナーでカビ菌が落ちる事の紹介でした。靴にカビが生える機会もそれほど多くないため、わざわざ革専用のクリーナーを購入するのはもったいないですが、トイレクリーナーであればその後も使えますし本当にお勧めです。
また、革靴だけでなく革製品であれば全く同様の手順で手入れをすることが可能です。例えば鞄、小物入れ、定期入れなど...万が一カビが生えてしまった場合は放置せず、早めに対処してくださいね。