靴磨きをした際に、磨いた部分が黒くシミになってしまった体験はないでしょうか。色が抜けている革靴に色を入れたにも関わらず、なぜかその周辺含め黒くなってしまった...。そんな体験は誰にでもあると思います。
きちんと本に書いてある通り磨いているにもかかわらずなぜ黒ジミはできてしまうのか、そしてそんな革靴の対処方法はないのか。具体的な解決方法をお話しします。
靴磨きで磨いた部分が黒くなるとは?
そもそもどんな状況なのかイメージが湧きにくいのではないかと思いましたので、画像でご用意しました。
ケース①
こちらは僕が靴磨きを始めたばかりのころの靴になります。クリーナーを入れたところ一気にしみこみ、真っ黒になってしまいました。
ケース②
こちらも先ほどの靴と同様ですが、反対側の靴になります。クリームを入れてだいぶましにはなっているものの、若干の黒ズミが残っていることが分かります。
ケース③
こちらはドクターマーチンになります。一見ものすごくよみがえっているように見えるのですが、ところどころ黒くなっている部分があることが分かります。
黒ジミができてしまう理由。
日ごろから手入れされている革靴であれば問題ないのですが、普段から手入れされてこなかった革靴の場合に多いのが、靴磨き時に黒いシミを作ってしまうこと。
結論から先に言うと、靴磨きで黒いシミを作ってしまう理由は次の2点です。
・乾燥によって水を吸収しやすくなっている
・銀面がはがれている
まず一つ目は乾燥していることです。皆さんご存知の通り、今まで手入れされてこなかった革靴は水分を吸収しやすくなっています。そんな革靴を手入れする際にクリームを取りすぎたり、水分の多すぎる布で触ってしまうとたちまち黒ジミになってしまいます。
この一つ目の理由でシミを作ってしまう場合は、いわゆる本人の技量不足なので仕方ありませんが、結構やってしまいがちなミスであると言えます。(後からの修正でなんとでもなります)
次に二つ目の理由が、銀面の剥がれになります。銀面というのは靴の革表面のことを指します。全体的に傷がついており凸凹しているようなケースでは大半が銀面がはがれています。
簡単な傷や色抜けを補色するようなケースでは靴クリームだけでも十分なのですが、革表面の傷によるケースではクリームだけでは隠しきることができないのです。
下手に乳化性クリームや、水分を入れてしまうと一気に黒くなってしまうのです。
黒ジミを防ぐ3つの方法
靴磨きの黒いシミを防ぐためには次の3つの方法があります。
・乳化性クリームの前に栄養クリームを入れる
・補修クリームを活用する
・鏡面磨き+アンティーク仕上げで目立たないようにする
1つずつ解説します。
乳化性クリームの前に栄養クリームを入れる
まず1つ目の対策は乳化性クリームの前に栄養クリームを入れる方法です。全体的に乾燥している場合や、軽度に銀面がはがれているケースでは、いきなり乳化性クリームを入れると一気に黒ジミを作ってしまうケースがあります。
乳化性クリームには栄養がもちろん入っているのですが、色の成分(染料や顔料)、蝋成分などが合わせて含まれており吸収が栄養クリームに劣ります。結果的にシミができやすい状況となってしまうわけです。
そこでお勧めなのが、栄養クリームを乳化性クリームを入れる前に塗布すること。お勧めなのは「コロニル1909シュプリームクリームデラックス」です。
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蝋成分が含まれておらず、伸びがすごく良いこのクリームは吸収性が抜群である他、他の栄養クリームや乳化性クリームと比較してもシミができにくい優秀な栄養クリームです。
栄養クリームを先入れしてしまうことで乳化性クリームの色が少し入りにくくなってしまうというデメリットはあるのですが、ダメージを受けている靴を磨く際には補色よりも前に保湿してあげるのが先決です。この工程を行うことで無用なシミを作ることを防ぐことができます。
銀面が軽度にはがれている場合でも、ものによってはこの手順を行うだけで大丈夫なケースがあります。
お勧めの栄養クリーム、コロニル1909シュプリームクリームデラックスの概要や詳細な使い方などはこちらの記事にて確認することができます。
補修クリームを活用する
次にご紹介する方法は、補修クリームを活用する方法になります。上記の方法で対応できないような場合はかなり銀面(革表面)が深く傷ついているケースがほとんどです。特に、革の裏側の繊維である床面が出てしまっている場合はもはや末期です。
深い傷故にシミになりにくいだけでなく、そもそも表面の凸凹によって革表面へのクリームの入り方がまばらになってしまうなど様々な原因から、手順通り靴磨きを行っているにもかかわらずシミができてしまうのです。
そういった場合は補修クリームを活用して修復することになります。
【用意するもの】
・紙やすり(400~600番)
・補修クリーム
・パテ(傷が深い場合)
・通常の靴磨き道具一式
お勧めの紙やすり

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お勧めのパテ
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【手順】
1.紙やすり400~600番で削る
2.クリーナーで削った部分を磨く
3.床面が出ているような深い傷の場合、パテを盛る
4.(盛った場合)乾燥した後、もう一度軽くやすり掛けして凸凹をなくす
5.補修クリームで全体をきれいに塗る
6.乾燥した後、一般的な靴磨きを行って目立たないようにする
手順が多く、文字で見るよりも案外難しいのがこのリペア。注意点は次の4点です。
・紙やすりで削る際には紙の弾力でわずかに触れるぐらいのソフトタッチで行う。
・パテを盛りすぎない
・屈折する部分にはパテを盛らない
・補色クリームは数色合わせて靴の色に近づける&塗る前に紙に塗って確かめる
上級者テクニックになるので少し難しいですが、靴磨き好きの方であれば挑戦してみると良いでしょう。ただし時間もかかるし面倒な他、成功しないこともあるので不安な方はプロにお任せすると安心です。
鏡面磨き+アンティーク仕上げで目立たないようにする
つま先やかかと限定にはなりますが、鏡面磨きで隠してしまうという方法もあります。
主に銀面がはがれるほど傷がついてしまう可能性が高い場所と言えばやはりつま先です。つま先の先端が黒ずんでしまうケースが最も多いんですよね。
上記のような補修ができる自信はないけど、目立たないようにしたいという方はとりあえず鏡面磨きを行った後、必要に応じて黒いワックスを上から乗せて左右の黒さを調整しながらアンティーク仕上げにするのがお勧めです。
【必要なもの】
・ワックス(2種類)
・布
【手順】
1.一通りの靴磨きを行う
2.ベース作り~軽い鏡面磨きを無色で行う
3.目立つシミの部分に合わせて黒色のワックスで鏡面磨き
4.左右を調整して完成!
シミが直接消えるわけではありませんが、このようにすることでいかにもアンティーク仕上げかのように誤魔化すことができます。コツとしてはつま先に多く黒色を乗せ、かかと側に行くにつれてワックスの量を減らしていくようにすること。
そのため、シミの範囲が広い場合は黒色を大きな範囲入れてあげることでそれっぽくなります。
あくまで応急処置的な方法ではありますが、今すぐ何とかしたい!という場合でもすぐに対応できるお手軽な対処方法です。
まとめ
今回は磨いた部分が黒くシミになってしまう原因や解決方法についてのお話しでしたが、いかがだったでしょうか。案外このような原因や解決方法について触れられている記事や書籍は少なく、特に靴磨き初心者の方を中心に原因が追究できず悶々とされている方は多かったのではないかと思います。
もし磨いた部分が黒くシミになってしまいそうな状況の革靴と遭遇した場合は、今回紹介した3つの方法である程度対応可能です。道具さえあればだれでもできるので、試されてみてはいかがでしょうか。

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