12月7日の本日、川上昌直教授がかいた本、「マネタイズ戦略 顧客価値提案にイノーベーションを起こす新しい発想」が発売されました。
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タイトル長くね?
それはさておき、今回はこの本の中身が5分でわかるようにまとめておきましたので参考にしていただければと思います。
「顧客価値と利益」を両立する
「顧客価値を高めたければ、利益を高めなければならず、
利益を高めたければ、顧客価値を高めなければならない。」
すごく尖った価値提案をお客さんに提供したいから、それを実現するためにマネタイズを駆使する。
または、安定してお金を得られるようにマネタイズをしたいから、顧客価値提案をとがらせてお客さんに提供する。
つまり、一見関係なさそうな顧客価値と利益は実は切っても切れない関係にあるので、どちらかを上げたければ、もう一方も上げる工夫をしてあげるのが大切。
価値提案はビジネスの最重要課題である。本書で紹介したケースの中には、価値提案実現する際に、マネタイズをうまく駆使したものがある。それらは、「マネタイズは価値提案にしたがう」を実践している
1とは異なり、マネタイズから変革し、それをもとに価値提案をあらたにするきっかけを得る。このやり方でブレークスルーを実現した企業もある。いうなれば、「価値提案はマネタイズにしたがう」である。
ケースで紹介。
この本では、「尖った顧客価値提案をするためにマネタイズをして成功した企業4つ」と「マネタイズを成功させるために顧客価値提案を尖らせた企業4つ」が紹介されている。
価値提案を提供するためにマネタイズした企業まとめ。
・テスラ
顧客価値提案:電気自動車で自動運転などを実現する。
課題点:ガソリン車と違ってエンジンオイルやマフラーなどの消耗部品が
少なく、修理などを通したマネタイズができない。
マネタイズ:あらかじめ安価な車には機能制限をかけておき、解除したい人から
お金を取る。(アプリ課金のビジネスモデルを車に持ち込んだ)
・ピーターパン
顧客価値提案:子供を喜ばせる場所を作る。できたてのパンを提供する。
課題点:持ち帰りだとパンが冷めてしまう。
マネタイズ:おいしいコーヒーや、こどもが喜ぶ施設を無料で開放し、
その投資にかかった費用をパンに上乗せして回収する。
(子供を喜ばせつつ、その場で食べてもらう為に、大人から課金する)
・LDK
顧客価値提案:消費者に信頼される雑誌作り
課題点:広告を雑誌に入れると、(スポンサーのことを悪く書けないので、)
正しい批評、情報を載せられなくなる
マネタイズ:広告なしで作った雑誌の中で、評判の良かったものを再編集して
新しい本を出して売る。
・42
顧客価値提案:教育の機会を誰にも渡してあげたい
課題点:ユーザーにマネタイズをしないため、これからの存続のための資金工面
マネタイズ:創設者からの寄付
4社の共通点
誰に、何を、どのように提供すればよいか?を考えてそのために必要なお金をどのように稼げばよいか?を考えている点。
今回の事例では、既存のマネタイズ方法で他社よりも高い金額を付けることはせず、自社の強みを生かして今までなかった新しいマネタイズ方法を考えている会社が多い。
マネタイズをするために価値提案をとがらせた会社
・ネットフリックス
マネタイズ:月額収入
課題点:他の映画配信サイトや、テレビとの差別化はどうするか
顧客価値提案:他のサイトやテレビが出せない質の高い自社コンテンツ作り
マネタイズ:高額な商品を分割でお届けする
課題点:購入は強制ではないので、購入したくなる仕組みづくりをしなければ
ならない
顧客価値提案:付録を付ける、雑誌によるストーリーを付けるなど
・アドビ
マネタイズ:買い切りから月額課金に変更。
課題点:常にソフトが改善や進化していかなければ、月額で購入する意味がない
顧客価値提案:常に最新のデザインツールを使用できる
・マーベル
マネタイズ:ライセンス収入を得て、自動的にお金が入る
課題点:キャラクターが魅力的でブランド力がなければグッズが売れない
顧客価値提案:自社作成の映画を通して、キャラクターの特徴や世界観を刷り込む
4社の共通点
月額課金にする企業はすべて、アフターサービスや新しいアップデートを経て進化を続けている点があげられる。
まとめ
他にない顧客価値提案を提供するのが先か、マネタイズを重点的に行ってつぶれにくい会社にするか。どちらが目的であっても、その両方ができていないと会社はうまく成長していかないよ、というのがこの本のざっくりとした内容でした。
ここでは先進的な会社、8つのケースを要約しました。今回紹介したのはすべて事実だけなので、どうしてこれらの会社はこのように工夫したのか?というのはぜひ読んで理解していただきたいなと思います。
例えば、
・月額課金方式はなぜいいのか?
・42はなぜ寄付だけで運営を成り立たせているのか?
・なぜ無料で提供するのか?
・なぜ広告収入をあえて得ないのか
・価格設定はどのようにすべきか
など、読めば読むほどなるほどと思わされる内容がたくさん詰まってました。
これから事業をしようと考えている人は当たり前のマネタイズ方法のほかに、もう一つどこかでマネタイズできないか?など考える視点が身につくのでぜひよんでみることをお勧めします。
皆もケースを勉強しよう!
マネタイズ戦略――顧客価値提案にイノベーションを起こす新しい発想
- 作者: 川上昌直
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/12/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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